ドスンっ



突然上の方から大きな何が降ってきた。

いや、何かではない。


降ってきたのはピンクと紫の服を着た派手な見た目の美少年だった。

ふわふわのピンクの頭には紫の猫耳。



「アナタもしかしてチェシャ猫?」



私が知っているチェシャ猫とは随分身なりが違うが色とか猫耳とかあと何よりその表情、ニヤニヤしている表情がいかにも私が知っている不思議の国のアリスのチェシャ猫にそっくりだったので本人に聞いてみる。


ちなみに私の中でのチェシャ猫はそもそもこんな綺麗な美少年ではなくて、ただの色が派手な猫だ。



「あれれー?俺のこと知ってんの?喋るお人形さん?」



チェシャ猫が私の言葉を聞いてにんまり笑ってみせる。



「知ってる。あと私は人形じゃない!」



ニヤニヤ笑うチェシャ猫に人形ではないことを伝える。


そう言えばさっき聞こえたチェシャ猫の声も「人形」って私のことを言っていた。


人形ではないのでしっかり否定しないと。


だけど。



「うっそだー。こんなに小さいのに人形じゃない訳ないじゃん」


「え、ちょ、うわっ!?」



私の言葉はチェシャ猫にあっさり否定されて更には親指と人差し指で体を掴まれて持ち上げられてしまった。