「さて私の可愛いアリス。森と竜のことについてだったわね」

「…」


私の隣で未だに認めていませんオーラを放つ白ウサギ。だが、そんな白ウサギなんてお構いなしに女王様は楽しそうに口を開いた。



*****



あれから楽しくお茶会を続けた後、女王様と白ウサギはまだ仕事があるからと仕事をし始め、私は私でやることがなくなったので家に帰ることにした。

きっと今日の白ウサギは一日中仕事で疲れているだろうから私が夜ご飯を作ろう。

そう思い、夜ご飯のメニューを頭に思い浮かべながら森の中を進む。


「カレー、シチュー、グラタン。んーもっと簡単な鍋とか?ステーキとか!」


考え出したらメニューが溢れて止まらない。
しかしよくよく考えると私は今の冷蔵庫の中を詳しく覚えていない。
メニューをたくさん考えるのもいいが冷蔵庫の中身は何があっただろうか。


考え事に夢中になっていると木の下にあるとんでもないものが私の目に入った。
簡単に言えば死体だ。


「っ」


さすがに怖くて後ずさる。がなんだかよく見たことのある姿なのだ。


「ん?」


怖かったが気になるので恐る恐るその死体に近づいてみる。


「ヤ、ヤマネ!?」


と、その死体がヤマネだと私は気がついた。
よく見たら死んでいるのではなく木の下で気持ちよさそうに熟睡しているだけのようだ。