あの時からずっと、君は俺の好きな人。

「三上さん言うね〜! ねぇ、舞ちゃんって呼んでもいい!?」

「は……? いいけど……」

「舞ちゃーん! かっこよかったー! 惚れるわー!」

「う、うん」


美結が三上さんに絡み出す。三上さんは戸惑っているように見えたけれど、口元は笑っていたから、満更でもなさそうだ。


「いやー、でも正直スカッとしたよ」

「2年も3年も関係ないよね。早いやつが勝つんだから」


水野くんと新田くんも、三上さんの言動にすっきりしたようで、晴れやかに笑って言う。

ーーなんか、みんな仲間って感じでいいな。

あんなに面倒に思えていた水泳大会が、もうすぐ終わってしまうのが、少し残念にすら思えてくる。


「じゃあすっきりしたところで解散しようか」

「うん、お疲れー」

「あ、そうだ!」


水野くんの言葉に頷く美結を見て、今朝なっちゃんにもらった焼き菓子の存在を思い出した私。