あの時からずっと、君は俺の好きな人。


しかし、私が口を開く前に。


「ーー早いクラスが優勝する。それだけなのにね」


今まで状況を静観していた三上さんが、ゆっくりと、しかしはっきりとそう言った。


「くだらないこと言ってる暇あったら練習した方が優勝できるよね。ーー私たちは明日もがんばろ」


そう発言した三上さんは無表情だったけれど、瞳は氷のように冷たく、刺すような視線を先輩に向けていた。


「な……何よ!」

「ほ、本当に生意気!」


三上さんのド正論に、うまく反論できないのか、先輩二人は口ごもりながら悪態をつく。

しかし、彼女らと同じクラスらしき男子がやってくると、一気に媚びたような笑みを浮かべて、私たちとのやり取りなどなかったかのように甘えた声を出し始めた。

そしてそのまま私たちとは反対側のプールサイドの方へ歩いていってしまった。

ーーああ。ぶりぶり加藤さんタイプか。どこのクラスにもいるんだなあ。