あの時からずっと、君は俺の好きな人。


「相手にしない方がいいよ。でも今日はもう上がろうか。いいタイム出たし、そこで終わっとこ」

すると水野くんは、平然とした様子で言った。


「そうだね、帰ろっか」

「明日また頑張ろーぜ」

「……帰って寝る」


そんな水野くんに、新田くんと坂下さん、内藤くんも賛同し、素知らぬ顔でプールサイドに置いてあったタオルで体を拭き始める。

すると私たちのまったく動じない様子が気に入らなかったのか、先輩たちが苛立ちをあらわにした。


「何あれ! 生意気!」

「普通もっと気を遣うよね、本当にありえないわ」


一体何に気を遣えというのか。

第一、私達は学校行事に一生懸命取り組んでいるだけで、文句を言われるようなことは何もしていない。

前提からして間違っているというのに。

苛立った私は、もう文句の1つでも先輩に言ってやろうかと思った。

余計話がこじれてしまうかもしれないけど、頑張っているみんなに対して下げる発言をすることは許せなかった。