「はぁ……? なんで俺が……」

「授業中にイヤホンで音楽聴いてることを教師にばら……」

「よっしゃ行こうぜ」


水野くんが内藤くんに定番の脅しをかけると、内藤くんは勢いよく立ち上がる。

「もう15分しかねーじゃん。」

「日々のちょっとした積み重ねが大事なのよ、サッカーは」

「……あー、やっぱり眠いわ……」

なんてことを3人は喋りながら、教室を出ていってしまった。

ーーそれにしても。

どうして水野くんは、私の隠している内面について分かったのだろう。

水泳大会の係になってからはよく話すようになったけれど、まだ一週間も経っていないのに。

それに、それ以前はほとんど関わったことがなかった。私なんて彼の存在すら認識していなかったほどだ。

それなのに、本当になぜ……?

ーーなんてことを考えていると。

「やっぱりかっこいいねー、あの3人!」

ぶりぶり加藤さんの甲高い声が聞こえてきた。

「王道サッカーイケメンの新田くんに、無邪気で爽やか水野くん、マイペースでかわいい内藤くん……いいよね〜」