6年前のあの日に感情を置き去りにしてしまった私。
パパとママが消えてしまってからは、「どうせ何もかもが突然なくなってしまうかもしれない」という思いが強くて、生きる目的を見いだせない私。
こんな抜け殻女の私が彼と一緒に何かに取り組むことが、失礼な気がして。
「50円のお返しです」
「はーい、藍ちゃん、いつもありがとうね」
お釣りを渡すと、おばあちゃんが優しく笑ってくれた。それにすら心が痛む。
上辺だけの私に優しくしてくれる人は、たくさんいるのにーー私がこんな風で。
私は無理やり笑顔を作ると、おばあちゃんは軽く会釈をして、お店から出て行った。
そして、しばらくの間私がまた悶々と悩んでいると。
「あら! おばあちゃんお家の鍵忘れてるわ!」
「ーーえ?」
パンの陳列をしていたなっちゃんがレジの前を通った時に、レジ台の端に置かれていた鍵に気づいた。
ぼーっとしていて気づかなかった。
パパとママが消えてしまってからは、「どうせ何もかもが突然なくなってしまうかもしれない」という思いが強くて、生きる目的を見いだせない私。
こんな抜け殻女の私が彼と一緒に何かに取り組むことが、失礼な気がして。
「50円のお返しです」
「はーい、藍ちゃん、いつもありがとうね」
お釣りを渡すと、おばあちゃんが優しく笑ってくれた。それにすら心が痛む。
上辺だけの私に優しくしてくれる人は、たくさんいるのにーー私がこんな風で。
私は無理やり笑顔を作ると、おばあちゃんは軽く会釈をして、お店から出て行った。
そして、しばらくの間私がまた悶々と悩んでいると。
「あら! おばあちゃんお家の鍵忘れてるわ!」
「ーーえ?」
パンの陳列をしていたなっちゃんがレジの前を通った時に、レジ台の端に置かれていた鍵に気づいた。
ぼーっとしていて気づかなかった。



