『間もなく三番線に新横浜発新大阪行きの列車が到着致します。危ないですから黄色い線まで下がってお待ちください 』


急にどくん、と心臓が不気味に鼓動した。そして呼吸が乱れ苦しくなり、膝をつきそうになるが、私は必死でこらえる。

冷静で聞き取りやすいアナウンスの声。ーーあの日と同じ声。

一瞬で、あの日にパパとママと一緒に、新大阪の駅で新幹線を待った光景が鮮明に蘇った。

足がすくむ。油汗が大量に出てきて、身体中が小刻みに震える。全身で、本能で、私は新幹線という存在を拒否している。

目の前ではしゃぐみんなは、私の変化には気づかない。新幹線がホームに到着し、乗車していく。

水野くんが新田くんや内藤くんと楽しそうに談笑しながら、新幹線に乗り込む姿も見えた。

『 何か心配なことがあったら俺に言いなよ。大した事は出来ないけど、そばに居てあげることくらいできるからさ 』

彼の先日の頼もしくて嬉しすぎる言葉を思い出した。