なっちゃんは私に切なそうに微笑みながら言った。


「でも、水野くんが一緒なら大丈夫そうね」


ーーなっちゃんの言う通り。

水野くんがいるから。私は心から修学旅行に行きたいと思ったし、新幹線だってきっと大丈夫だろうと思えていた。

だって水野くんは、6年もの間ずっと味気なくモノクロだった私の視界を、色とりどりの希望に満ちた世界に変えてくれたのだから。


「ーー別に水野くんがいなくても。大丈夫だし」


だけどやっぱりなっちゃんには恋心を知られたくなくて、私はぶっきらぼうに言い放つ。


「はいはい」


するとなっちゃんは笑いを堪えたかのような顔をして、仕方ないといった口調で言った。

バレバレみたいだなあ。

でもからかわれるのは嫌だから、まだ自分からは言わないでおこう。

ーー水野くん。本当に楽しみだよ。あなたと一緒の修学旅行。