ーーうう。やばい、なんでもいいから残ってますように。

しかし、辿り着いてみると。


「……うっそ」


残っていたのはうぐいす豆パン1つ。まだ昼休みが始まって5分ちょっとなのに。

いくらなんでも早くなくなりすぎじゃない? そもそも仕入れが少ないんじゃない?

購買部に大してそんな文句が出そうになるが、私はとりあえずうぐいす豆パンを買う。

あーあ。こんな小さいパン一個じゃ足りないよ……。放課後帰り道にコンビニでも行こうかな。

などと、がっかりしながら購買部を出ようとするとーー。


「あれ、吉崎さん。今日はパンなの?」


購買部の出口付近の自動販売機の前に水野くんがいた。

ちょうど飲み物を購入していたようで、自動販売機の取り出し口に手を突っ込んで、缶のお茶を取り出していた。

そして彼の手には、カレーパンばかりが1、2、3……5個!?