あの時からずっと、君は俺の好きな人。

「水泳大会には全員揃って出たいもんな」

「ーー私は係やってるだけで選手じゃないんだから、当日いなくてもなんとかなるよ」

「え、ダメだよ。今までみんなで頑張ってきたんだし。ーーそれに最近吉崎さん、前よりも明るくなって、楽しそうに見えるから。一生懸命やってるみたいだから。いないとダメだよ」

「…………」


私が明るく、楽しそうに見える。

そうだとしたら水野くんのお陰なの。あなたが楽しそうに頑張る姿がキラキラしていて、憧れの念を抱いたから。

だけど、私の根底にある考えが消えなくて。

ーー頑張ったって、嬉しいことがあったって、何かの拍子に消えるんじゃないか。全部無駄なんじゃないかって。

急に私は涙ぐんでしまった。


「ーーどうしたの?」


そんな私の変化に気づき、水野くんは私を心配そうに眺めた。

だけどうまく自分の思いが言えなくて。こんな考えが消えない自分が嫌で、言いたくない思いもあって。