あの時からずっと、君は俺の好きな人。

今となっては考えられない自分の過去だ。

きっと美結は事故のあとの私の変化にも気づいているはずだ。

隠しているつもりだったけれど、水野くんもなっちゃんも気づいているのだから、察しのいい美結が見逃さないはずがない。

ーーなんで変わってしまった私のそばにずっといてくれるのだろうと、不思議だった。

私のそんな暗い考えなど知る由もない美結は、急にいたずらを思いついた子供のように、ニヤッと笑った。


「あ、そうそう今日はもう1人お見舞いに来てるんです〜!」

「え、誰? 坂下さん?」

「ぶー、はずれー。ではご登場してもらいましょう!」

「ーーちっす」


少し照れながら私の部屋に入ってきたのは……鞄を無造作に担いだ制服姿の水野くんだった。


「水野くん!」


私は驚くと同時に、嬉しさが込み上げてきて顔が自然にほころんでしまった。