あの時からずっと、君は俺の好きな人。

不意に自室のドアをノックする音が聞こえてきた。私は寝っ転がりながら「はーい」と返事をする


「美結ちゃんお見舞いに来てくれたわよ。入ってもいい?」

「うん」


ドア越しになっちゃんの声に返事をすると、美結がドアを開けて入ってきた。

なっちゃんは美結の後ろにいたが、私の部屋には入らず去った。きっとお店に戻るのだろう。


「藍ー! 大丈夫? おばさんはもう熱が下がったって言ってたけどさ!」

「うん、明日には学校行けると思う」

「よかった! 2日も休むから心配してたんだよ〜」


私が寝ているベッドの傍らで、心底安心したように笑う美結。

ーーいつも美結は私を気遣ってくれる。事故の前も事故のあとも、ずっと。

でもそういえば、小学生の頃の美結は小さくて今より少し気弱で、よく男子にいじめられていたなあ。

対照的に私は水泳をやっていて力が強かったから、よく美結を庇って男子と取っ組み合いの喧嘩をしたりしたっけ。