あの時からずっと、君は俺の好きな人。





また風邪をひいてしまった。水泳大会はもうすぐだというのに。

この前風邪をひいてから2週間も経っていない。そんなに病弱な方ではないのに、なぜこんな短期間で2度も病に臥せってしまったのだろう。

思い当たる節があった。

少し前まで無気力でいつ死んでもいいと思っていた分際で、キラキラ水野くんの真似なんてして、係の仕事を頑張ってみたり、みんなのタイムが早くなったことを喜んだりしたからだ。

ーーまだ私の根底には、「どうせ頑張ったって何かの拍子に全てが消えてしまう」「嬉しいことがあったって、一瞬で壊れてしまう日が来る」という思いがどうしても残っていた。

きっと、私の体に合わないことをしたから風邪なんてひいてしまったんだ。

私は見慣れた天井を見ながら、そんな後ろ向きな真実を噛み締めていた。

昨日から熱が出て、今朝も下がらなかった。だけど、昼寝をして起きたら体がすっきりしていて、平熱まで下がっていた。

明日は学校へ行けそうだ。明後日は大会本番だから、前日の練習には参加できそうだ。

ーーだけど、どうしたら無気力な私は消えてくれるのだろう。

不本意なタイミングの体調不良は、水野くんのおかけでせっかく前向きになりかけていた私の心を、どん底に叩き落とすことくらいわけがなかった。