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「そうか。呉妃に会ったか」


回廊にて。


皇后として、皇太后に呼び出された翠蓮は彼女の後ろを歩きながら、久々の会話を交わす。


「ええ。ちゃんとお話したのは初めてですが、綺麗な方ですよね」


「後宮だからな」


「フフッ」


元も子もないことを……と思うが、確かにその通りだ。


国内で美しく、教養と身分があるものが集められるんだから、当然のこと。


「ところで……急なお呼び出しでしたけど、何かありましたか?」


こんなふうに呼び出されるのは、滅多にない。


皇子に会いたいとかいうのでも、皇子直接に伝令を出せば、蝶雪が対応してくれるだろうし。


「少しな」


皇太后―翠蘭様は、笑みを漏らして。


焦らす翠蘭様についていき、かなり歩いた。


下町で鍛えた足腰があるから、全然、元気だけども。


向かった先は、後宮内でもかなり見通しが良いと思われるところ。


そこに並んだ、墓石たち。


「……罪人以外で、火葬になるものは有り得ぬ」


「……」


そこが、何を表すのかはすぐに分かった。


ここは、瑞鳳殿の裏側だ。


「そなたの実の母―尹妃も、鳳雲様もここで眠っておる。祥星様と鳳雲様の母君もな」


定められた者以外、入れぬところ。