冷武二年。


後世にて、様々な意味で名を轟かす李翠蓮は十七という若さで、冷武帝の後宮に薬師として入った。


けれども、優秀な彼女の文献は数多くあるが、表向きには彼女の薬師としての入宮記録はなく、彼女の薬師としての正式な初仕事の後宮勤めは、まこと密やかに行われたと後世では考えられている。


そして、この国において十七で未婚というのは、大変、稀有なことであった。