「―灯蘭様、何を、見たんですか……」


彼女が、見たものは?


兄様が、隠したいものは―……。


「私、見たのよ……あの夜……」


―翠蓮は話を聞いた後、直ぐに部屋を飛び出した。


まさか、あの人が。


そんな思いを抱いて、後宮書庫に向かって。