「現皇帝陛下の四妃のは?」
「栄家より、貴妃様。向家より、淑妃様。呉家より、徳妃様。泉家より、賢妃様ですよね」
「はい。では、後宮で取られている妃嬪階級は?」
「四妃九嬪です」
「皇太后陛下の御名を」
「柳家より、柳翠蘭様です」
「では、政治の面に移ります。皇太子の教育を担うことにもなる内閣大学士の地位ですが、今の最上位は順嵐雪殿であり、彼は現皇帝陛下の秘書も務めておられます。では、右大臣と左大臣、また、その補佐官を教えてください」
……後宮の問題は簡単だったが、政治の方はからきしだ。
勿論、そういう話を黎祥から聞くことも無く、嵐雪さんも話さなかったし、後宮から出ることは滅多に無かったのだから、当たり前だが……。
「……すいません。少し、意地悪をさせていただきました」
「え……?」
悩み、無言でいると、怜世様はくすくすと笑って。
「このようなことは、下っ端の官吏ですら、答えられない時がございます。何より、現在、右大臣は宮廷にはおられません」
「えっ!?」
「左大臣は……革命の際、処刑されましたので」
「ええ!?」
「一族諸共、ですからね。その左大臣自体、賄賂とかしてましたので」
「そうなのですか?」
「ええ。後宮で耳にしませんでした?程家の名前」
そう言われて、記憶を辿る。
確か……。