「急に姿が見えなくなったと聞いて心配していたのだけれど、無事だったようで安心しました」
目を細めて優し気な笑みを浮かべるディアナの言葉にオリヴィアは心臓をつぶされるような緊張をしたが、一つ呼吸を置いて頭を下げた。
「お心を煩わせてしまい誠に申し訳ございません、殿下」
「そんな仰々しい言葉は使わなくても良いのよ。私は貴女とお茶を楽しみたいだけなのだから」
そうディアナは微笑みかけるけれど、だからと言ってオリヴィアがディアナに砕けたような話し方をできるはずがなかった。
何と答えるのが正解だろうかと考えを巡らせるオリヴィアの目の前に、王宮侍女が金で縁取られた白いティーカップに茶を注ぐ。
ふうわりとした香りが漂い、オリヴィアの視線は自然とカップに向けられた。
普通の紅茶とは違う色鮮やかな赤色の紅茶はとても特徴的だが、オリヴィアには見覚えがあった。
「私の一番好きなお茶ですの。貴女にも気に入っていただけたら良いのだけれど」
「これは……ローズヒップでございますか?」
「ええ、そうよ。ローズヒップと紅茶のブレンドで、他国から取り寄せたものなの。なんでも王城のお茶係が考案したもので、王太后様のお気に入りだとか」
嬉しそうなディアナ殿下の笑顔は赤薔薇と呼ばれるに相応しく周りの人々さえも明るくするものだった。
その笑顔を見ていると緊張で満ちていたオリヴィアの心も自然と落ち着いた。そして紅茶を一口啜ると、ほうっと息をついてしまった。
「とても美味しいです」
「それは良かった」
にっこりと微笑むディアナはアーノルドに顔を向けると「それで?」と問いかける。
「こんなにも美しい令嬢を城に招いて共に私を出迎えたこと、説明してくれるのでしょう?」
それを聞いたアーノルドは大きな溜め息をついた。
「どうせ、僕が他のことを話したとしても姉上は聞く耳を持たれないのでしょう?」
「あら、そんな酷いことを姉に言わなくてもいいじゃない」
目を細めて優し気な笑みを浮かべるディアナの言葉にオリヴィアは心臓をつぶされるような緊張をしたが、一つ呼吸を置いて頭を下げた。
「お心を煩わせてしまい誠に申し訳ございません、殿下」
「そんな仰々しい言葉は使わなくても良いのよ。私は貴女とお茶を楽しみたいだけなのだから」
そうディアナは微笑みかけるけれど、だからと言ってオリヴィアがディアナに砕けたような話し方をできるはずがなかった。
何と答えるのが正解だろうかと考えを巡らせるオリヴィアの目の前に、王宮侍女が金で縁取られた白いティーカップに茶を注ぐ。
ふうわりとした香りが漂い、オリヴィアの視線は自然とカップに向けられた。
普通の紅茶とは違う色鮮やかな赤色の紅茶はとても特徴的だが、オリヴィアには見覚えがあった。
「私の一番好きなお茶ですの。貴女にも気に入っていただけたら良いのだけれど」
「これは……ローズヒップでございますか?」
「ええ、そうよ。ローズヒップと紅茶のブレンドで、他国から取り寄せたものなの。なんでも王城のお茶係が考案したもので、王太后様のお気に入りだとか」
嬉しそうなディアナ殿下の笑顔は赤薔薇と呼ばれるに相応しく周りの人々さえも明るくするものだった。
その笑顔を見ていると緊張で満ちていたオリヴィアの心も自然と落ち着いた。そして紅茶を一口啜ると、ほうっと息をついてしまった。
「とても美味しいです」
「それは良かった」
にっこりと微笑むディアナはアーノルドに顔を向けると「それで?」と問いかける。
「こんなにも美しい令嬢を城に招いて共に私を出迎えたこと、説明してくれるのでしょう?」
それを聞いたアーノルドは大きな溜め息をついた。
「どうせ、僕が他のことを話したとしても姉上は聞く耳を持たれないのでしょう?」
「あら、そんな酷いことを姉に言わなくてもいいじゃない」



