「おめでとうございます、陛下」
「ありがとう、マリア嬢」
するとマリア嬢はスカートの裾を持ち上げ美しく挨拶をするとそそくさとその場を後にした。
その姿が見えなくなったところでアーノルドは溜め息を吐き出し、清々したと言わんばかりの表情を浮かべる。それを横目で見つめながら、オリヴィアは好機だと思った。
ここで耳の痛い言葉を言うことによって、王太子殿下から鬱陶しいと思われるように仕向けよう。そう心に決めたオリヴィアはにやける頬を抑えながら小言をついた。
「……よろしいのですか、アーノルド様。伯爵令嬢を泣かせるような真似をして」
「問題はない。マリアはあの程度でへこたれるようなか弱い女ではないからな」
「そのようなご発言はおやめになった方がよろしいのではないのですか? それを聞いた者はみな殿下の印象を悪くしてしまいますわ」
するとアーノルドはオリヴィアのブロンドの髪を一房手に取ると、妖艶に微笑む。その距離の近さにオリヴィアの顔には熱が集まった。
「さきほどから良く喋るな、オリヴィア。マリアに挨拶して機嫌が良くなったか?」
「え……?」
「それとも、なんだ。俺がマリアにかかりっきりで、嫉妬でもしたのか?」
「なっ!?」
オリヴィアはすぐに距離をとった。ブロンドの髪はふわりと宙に踊る。
「しっ、しません! 嫉妬など! 言いがかりはよしてください!」
「別に構わん、嫉妬してもいい。照れることのないお前が嫉妬していると思うと愛おしく思えてくるな」
「だっ、だから、その様な口説き文句はおやめください!」
どうも、うまくいかない。王太子相手では、いかに嫌われようと試みても乱されてしまう。
恨めしく思ってアーノルドを見つめると、彼はまるで悪戯好きの少年のように屈託のない笑顔を見せた。彼は心底この状況を楽しんでいるらしい。
その表情を見て、オリヴィアは自分を奮い立たせる。
どうだ、こんなところで弱気になっている場合ではない。
「ありがとう、マリア嬢」
するとマリア嬢はスカートの裾を持ち上げ美しく挨拶をするとそそくさとその場を後にした。
その姿が見えなくなったところでアーノルドは溜め息を吐き出し、清々したと言わんばかりの表情を浮かべる。それを横目で見つめながら、オリヴィアは好機だと思った。
ここで耳の痛い言葉を言うことによって、王太子殿下から鬱陶しいと思われるように仕向けよう。そう心に決めたオリヴィアはにやける頬を抑えながら小言をついた。
「……よろしいのですか、アーノルド様。伯爵令嬢を泣かせるような真似をして」
「問題はない。マリアはあの程度でへこたれるようなか弱い女ではないからな」
「そのようなご発言はおやめになった方がよろしいのではないのですか? それを聞いた者はみな殿下の印象を悪くしてしまいますわ」
するとアーノルドはオリヴィアのブロンドの髪を一房手に取ると、妖艶に微笑む。その距離の近さにオリヴィアの顔には熱が集まった。
「さきほどから良く喋るな、オリヴィア。マリアに挨拶して機嫌が良くなったか?」
「え……?」
「それとも、なんだ。俺がマリアにかかりっきりで、嫉妬でもしたのか?」
「なっ!?」
オリヴィアはすぐに距離をとった。ブロンドの髪はふわりと宙に踊る。
「しっ、しません! 嫉妬など! 言いがかりはよしてください!」
「別に構わん、嫉妬してもいい。照れることのないお前が嫉妬していると思うと愛おしく思えてくるな」
「だっ、だから、その様な口説き文句はおやめください!」
どうも、うまくいかない。王太子相手では、いかに嫌われようと試みても乱されてしまう。
恨めしく思ってアーノルドを見つめると、彼はまるで悪戯好きの少年のように屈託のない笑顔を見せた。彼は心底この状況を楽しんでいるらしい。
その表情を見て、オリヴィアは自分を奮い立たせる。
どうだ、こんなところで弱気になっている場合ではない。



