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 もしもあの時、わたしが本当のことを言っていたら何か変わっていただろうか。


 過去に戻れるわけがない。変えられやしない。全てわたしがやってしまったこと。
 きっと誰にも理解されない。あの時のわたしの心なんて。


 歪んだ心が間違った選択をして、秋くんを傷つけた。夏海を困らせた。わたしはすごくバカなことをしたんだ。



「にゃー」

「アメ、慰めてくれるの?」



 ベッドに寝転がっていたら、飼い猫のアメがお腹に乗ってきた。
 今日も尻尾を手に乗せて、何か構って欲しそうにしている。茶色い耳をピクピクさせて、なぜか首を傾げてる。



「かわいこぶってるの? それとも、また悩み聞いてくれる?」



 過去のこととか秋くんのこととか、わたしの悩みは本当に絶えない。
 どうやっても答えにたどり着かない。そもそも答えなんかなくて、勝手に一人でもがいているのかもしれない。



「あーあ」



 夜も遅い。そろそろ寝なきゃとは思うけど、なかなか寝付けない。


 わたしが連絡することは知っていたはず。それなのに返事が全くない。仕事で疲れているんだろうとか、急な用事でスマホどころじゃないってのはあるかもしれない。


 それでも今日は楽しかったから、一言が欲しかったのに。