ヘタリ、と倒れ混む私……
だけど、私の体は……床に着く前に抱き止められた。

「お嬢様っ、だから言ったのに……
側、離れるからこうなる。
萌は、俺から離れるなっ。

俺なら無条件で、守ってあげられる」
君の指が、私の頭を撫でた。

何故だか、胸が高鳴る。

こんなの初めてで、守るとか、そんなの言われたことない。

執事がいたことなんてない。
なのに、今日初めて執事の栗栖 零と出会い…
初めて守られた。

初めて………?
零がずっと側にいた時、誰も話し掛けに来なかった。
それって、私は知らず知らずの内に零に守られて居たんだ。

「ありがとう……後、ごめんなさいっ」

離れてごめんなさい。

私は泣かずには居られない。

「泣き虫っ。
まあ、萌らしいな」

そう言い涙を拭った。

君の手で、涙を払う。
その仕草に、ドキドキした。