「やだ、先輩やめて‼」 

先輩の手が、私の頬を撫でた。

「お嬢様とか、萌えるわ、ね、萌ちゃんっ」

壁に私を追い込む、先輩達は、五人。
「…………っ」

嫌だ、あんなに執事が側に居るのが嫌だったのに……自分から突き放したのに……

涙が滲む私の涙腺は、崩壊した様に泣いていた。

「可愛い、やっぱり今回の新人は当たりだよな」

嫌だ………。



「零……………

零っ、助けて!!」



私は、叫んだ。
鍵だって閉まってる。
誰も助けになんて、来ない。
それでも、叫ばずには居られなかった。




ーーードンッ


ーーードンッ


何? 
鍵が閉まってるドアが、揺れている。
ドアノブも、カタカタいってる。

強い力が、外から圧力がかかっているんだ。

「なんだ⁉」

ざわめくオフィス。

ーーーードォン!!

「呼びましたか、お嬢様っ」


あろうことか、ドアは吹き飛び……零はにこやかに現れた。

「なっ!?」 

男共は、言葉にならない声をあげた。