「側にいてくれる?」

男の人に、こんなこと言っちゃダメだよね。
だけど零だけは、違う……

「居るよ……だから、不安がるな。
大丈夫、俺守るよ。
もう、指一本触れさせない」

君が、見つめる瞳が私の胸の奥底を刺激する。
こんな気持ち初めてで、ドキドキと胸のざわめきは治まらない。

零が私の手を握る。
暖かい穏やかなこの瞬間ーーー。

貴方は私の執事。
突然、現れてドキドキさせる執事。

私は、安心する気持ちで眠りについた。


「本当、無防備なお嬢様だ。

旦那様に言われる前から、ずっと側で守りたいって思ってた。

知らないよな……俺のこと……」

俺の呟きは、聞こえない。

萌の髪を優しく撫でた。