「本当、よかった………」

呟いた零は、私を抱き締めた。
胸の高鳴りは、消えない。
こんな気持ち、知らなくて初めてだった。
「零………あ、マイは!?
マイは、無事?」

思い出した親友のマイ。
保護したって、マイは……。

私は零と一緒に、休憩所に向かった。

零専用の休憩所を、父様が設けた。
「マイ!?無事!?」

ソファに座るマイは体が、少し震えてた。

「マイ………」

溢した言葉に、泣きそうになる。

「萌………私、怖かった。
栗栖さんが、来なかったら私は………っ」


一番、泣きたいのは私じゃない。
マイだ。
「楽しい筈の、スタートなのに……
あいつら、ひどい」

一人に寄ってたかって最悪だ。

「抗議しょう‼
こんなこと、上に話せばーー「それは無理です」


えっ………?

零?

零は、パソコンを開いて何やら考えてる。