「よ、蓮! 久しぶりだな。どうした?」
「お前は元気そうだな」
「おう! さっきまで智淮と電話してたから元気ハツラツだぜ」
「惚気のろけかよ。うざ」
「好きに言えよ! オレは幸せだ!」
「バーカ……なあ那音、真面目な話していいか」
「え? ああ、いいぜ」
他愛のない会話の合間で、本題を那音に提示する。
僕が恐れていた不安とは、本当のことを告げたことが原因となり、那音に拒絶されてしまうことだった。人は突然「大切な友人がもうすぐ死ぬ」と告げられた時、一体どのような反応を示すのだろうか。
かわいそうに、と同情されるかもしれない。衝撃的な告白を受け入れることができず、拒絶されてしまうかもしれない。
本当のことを知った後も、変わらずに接してほしい。ここまで望むのは、わがままだろうか。
那音は暗くなった僕に真剣な声で言った。
「なんかあったのか? 言えよ、オレたち親友だろ?」
那音の言葉に僕は唇を噛み締める。
言わなくちゃ。