「こんなんじゃ、桐島くんに嫌われ、ちゃう……。可愛くいなくちゃ。き、桐島くんが可愛いって言ってくれた私でいなく、ちゃ……。イヤだ。桐島くん、助けて。熱い。痛い。いた、い゛よ。桐、島く゛ん……っ……」
桐島くんの名前を呼びながらアヤは動かなくなってしまった。
私たちはそのあとスマホの電波が通じる場所へと急ぎ、救急車と警察を呼んだ。
10分後に両車が廃工場へと到着して、アヤは救急隊員の人たちによって野外へと運ばれて救急車に乗せられた。
「お友達ですか?ここにいた経緯も含めて警察署で事情を聞かせてください」
私とチエミはアヤには付き添わずに警察に向かうことになった。
まだ気持ちの整理がつかずに呆然のする中で、アヤが言っていた〝黒いフード〟という情報。
断言はできないけれど、きっと硫酸をかけた人物は私たちが追っていたヤツに間違いない。
「……チエミ、犯人は?」
「ごめん。見つからなかった。私が早く掴まえてればアヤはこんなことにならなかったのに」
チエミはうつ向いて肩を震わせていた。
本当に、なんでこんなことになっちゃったんだろう。
私たちはアヤを乗せた救急車のサイレンが聞こえなくなるまでパトカーには乗らなかった。



