「なんでこんなことに……」
声がうまく出ない。恐怖で膝から崩れ落ちそうになった。
「急に……うしろ、から……なにをかけられて。くろ、いフードの人に……」
アヤの顔は原形が分からないくらいひどいことになっていた。唇の皮膚まで溶けてしまっているので、言葉も途切れ途切れになっている。
「メイ、コ。私の、顔、どうなってる……の?」
苦しそうにもがくアヤに私はどうしたらいいのか分からずに立ち尽くしていると「大丈夫!?」と、誰かが薬品倉庫に入ってきた。
ライトを付けたまま床に落ちているアヤのスマホ。浮かび上がるシルエットとともに現れたのは、チエミだった。
「ア、アヤ……?」
チエミはすぐにアヤの異変に気づき、口を手で覆う。
「な、なにがあったの?」
「分からない。でも黒いフードの人にやられたって。たぶん硫酸をかけられたんだと思う……」
「そんな……」
私たちが会話をしてる間にもアヤのうめき声は強くなり、ついには座っていることもできずに床を這うようにして苦しみはじめた。



