――桐島くん。



そして昼休み。アヤは食欲がないから保健室で横になると言って教室を出ていった。

「静かだね」

机をくっつけてチエミとふたりだけの昼食。エリカも誘ったけれどセイコへの後ろめたさからか私たちと距離を置くようになっていた。


「……なんかアヤ、誰かに変なメール送られたり付け狙われたりしてるみたいなんだよね」

私はお弁当の卵焼きを小さくかじってチエミに相談した。


「え、そうなの?」

どうやらチエミには打ち明けていなかったようだ。


「でも桐島くんのことを狙ってる女子は多いし、アヤが彼女だって広まってからけっこう陰口を言われたりしてるの聞いたことがあるよ」

美男美女同士と褒め称える人もいれば、そうじゃない人もいる。アヤは学校のマドンナだけど、桐島くん人気のほうが上回っているから女子から冷たい視線を向けられてるのも事実だった。


「後を付けてきた人は黒いフードを被ってたって言ってたよ」

せめて性別とか背格好とかなんでもいいから詳しい情報があればよかったんだけど、アヤも気が動転してるし、顔なんて確認する余裕はなかったんだろう。