――桐島くん。



それから数日が経っても桐島くんの行方は分からないままだった。

脳に大きなダメージを負ってしまったセイコは今も目を覚ますことはなく、エリカはすっかり自分を責めてしまい塞ぎこんでいた。

以前まで騒がしかった教室も太陽のような桐島くんを失い、セイコの事故の影響もあり、今日も暗い雰囲気が続いている。

そんな中で、アヤは自分の席に座りながらスマホを片手にため息ばかりをはいていた。


「桐島くんから連絡は?」

その言葉にアヤは静かに首を横に振る。


アヤ以外にもめげずに彼に連絡をしてる人たちがたくさんいた。どうやら電源は切れたり入ったりしているようだ。

さすがに一週間以上スマホを充電しなかったら完全に電池切れになってるはずだから、どこかで充電はしてるんじゃないかと誰かが言っていた。


学校中どこに目を向けても、桐島くんのことばかり。

そういえばSNSで人探しとタグをつけて桐島くんのことを拡散したら、けっこうな情報があったんだとか。

街中を普通に歩いてたなんてものもあれば、長野にいた、京都にいた、沖縄で写真を頼まれたなんて信憑性が薄いものもあるらしい。

どれが本当かは分からない。でも嘘とも断言できない情報にみんなが振り回されていた。


「……桐島くんのことも心配なんだけど、実はもうひとつ心配事が増えちゃって」

アヤがぎゅっと手に持っていたスマホを握り締める。


「どうしたの?」

「実はね……」と、周りの様子を伺うようにしてアヤがスマホの画面を見せてくれた。