――桐島くん。



次の日。教室はいつものように騒がしかった。

「おはよう、メイコ」と、朝練終わりのチエミが清々しい顔をして近づいてきた。チエミはバスケ部に入っていて、女バスのエースとして次の大会にも出場が決まっている。


「……おはよう」

次に挨拶してきたのはアヤ。アヤは相変わらず眠れない日々が続いているようで、目の下にはクマができていた。


「おはよう」

予鈴のチャイムとともに教室に入ってきたのはエリカだった。珍しい。エリカはいつも時間には厳しいから、学校でも一番最初に席に着いてるのに。


暫くして、担任も出席簿を片手に教室に入ってきた。なぜか神妙な顔つきをしていて、険しい表情のまま教壇に立つ。


……あれ、セイコがまだ来てない。

いつものように遅刻かな。たまにお昼休みに合わせて登校してくることもあるし、きっと今日もそうなのだろうと思っていると……。


「みんなに大切な話があります。昨日の学校帰りに橘セイコが階段から転落して病院に運ばれました」


……え?

先生の言葉にクラスメイトたちがざわざわしはじめる。


「頭を強く打っていて現在も意識不明の重体だ。まだ詳しい詳細は分かっていないけど、一刻も早い回復を――」

「せ、先生っ!」

私は説明を遮ってガタッと席を立った。


「セイコがいる病院はどこですか?」

聞きながら声が震える。だって、昨日は第三音楽室で楽しく喋って、帰りだって『また明日』と別れたはずなのに……。