色々話しているうちに、学校に到着した。

1年生と2・3年生は靴箱が別々の場所なので、空とはここでお別れだ。



「じゃーね、空」

「うん、ばいばい、うみちゃん」




もう、ほんとに、朝から癒された。


我が幼なじみながら、本当に可愛すぎるのだ。



少し茶色をおびたふわふわの髪に、透き通った茶色い目。本人は結構気にしてるけど、私よりも低い身長。(ちなみに私は155センチだ)

気遣いができて優しくて、のんびり屋で、とってもとっても可愛いのだ!


そして、彼は柴犬の獣人なのだ。頭のてっぺんから覗くかわいいケモ耳は、ついつい手を伸ばしたくなる。


教室に向かって歩いていると、後ろから有紗(ありさ)に声をかけられた。
「おはよー海美!今日も弟くんと仲良しだねぇ」
「おはよう、有紗!弟じゃないってば!」


じゃれ合いながら上履きに履き替えていると、「おはよう、橘さん」と声が聞こえた。
ぱっと振り返ると、そこには黒田悠斗(くろだ ゆうと)くんがいた。


実は私が1年生の頃から憧れている人。


「お、おはよう黒田くん!」




ニコッと笑ったその顔が、今日も眩しいです……!
私、有紗、黒田くんは同じクラスで、3年1組。文系クラスのアッパーコースなのだ!こう見えても!


ちなみに、普通科は文系が1~3組(1組がアッパーコース)、理系が4~6組(4組がアッパーコース)、7組は特別進学科(特進科)という感じだ。
アッパーコースは、難関大学を目指す人や、成績上位者が集められたクラスだ。
3年生からこの方法でクラス編成されるので、黒田くんと一緒のクラスになれて、本当に嬉しいのだ!あ、もちろん有紗も。


1年生は普通科と特進科の区分しかないので、ランダムに振り分けられる。空は確か、4組だったかな?
2年生から文理で別れるから、空は頭を抱えてたっけな……いや、何も考えてなさそうだったな。