ぐすぐすと泣くうみちゃんの正面に周りこんで、指で涙を拭った。

「ごめんね、うみちゃん……ごめんね…………ごめんなさい……」


泣いている姿でさえ愛しい。本当に可愛い。家にずっと閉じ込めておきたい、いやいや、それはだめだ……




涙が収まってきた頃、コンコンと部屋の扉がノックされた。入ってきたのは母。

「大丈夫、うみちゃん?温かいココアを持ってきたから、ゆっくり飲んで落ち着いてね?本当に、うちの空が迷惑ばかり……ごめんなさいね?」

うみちゃんは、ふるふると首を横に振って、ココアを受け取った。

「ありがとうございます」と言ってフーフーしながら少しずつココアを飲む彼女は本当に可愛い。(可愛いとしか表現できないくらいとにかく可愛い)


「空」


ドアの方から父が顔を出して僕に手招きをした。うみちゃんが気になったが、仕方なく立ち上がり、父の方へ向かった。