風に誘われるように
なびく君の髪に

俺は導かれるように
引き寄せられた


君が見上げた先は
一面の桜色の世界

春に降る雪が
君への桜色の道を作り出す


ふわり

柔らかくて温かな笑顔

一瞬にして
心ごと奪い去られていく


……それが
俺じゃない誰かに向けられたものだと知ったのは

君と出会って
すぐのことだった