「つれないなー」
体をくねくねさせながら拗ねたようにいう。
「気持ち悪いです」
「朱里ちゃんまで!?」
「あぁ、朱里。一応この馬鹿が兄の朔夜ね」
「朔夜さんですか、よろしくお願いします」
「さらっと馬鹿呼ばわりされたけど、しかもそれを流すように見てるけど朱里ちゃん、酷い」
むうっと唇を尖らせていう朔夜さん。顔は整っているからとても腹が立つ、狐の姿であれば今すぐにでも噛みつきたいものだ。
「あ、兄さん。朱里は狐だから」
「え?」
「おー! 狐か、可愛い女の子はええぞ」
さらっと私の正体を流される。朔夜さんも対して気にはしていない様子だけど……。
この二人は何かおかしいのでは?

