これで蒼兎との食事は最後。
そう考えるとしっかりと記憶に焼き付けたかった。
蒼兎ともっと過ごしたい。
でも、今の私には蒼兎の力になることができない。
「蒼兎」
「な、何」
「お別れしなきゃいけないのは、私だから?」
気になってた。
ずっと。
まるで、私だから、というように避けられているのが。
そして、私だから助けなければという風にしているのも。
蒼兎を真っ直ぐと見つめる。
「蒼兎?」
気まずそうに顔を逸らされる。
(その顔をさせているのは、やっぱり私のせい?)
聞いてからしばらくしても答えは返ってこない。
ずっと月を眺めていた。
それは、とても切なくて、辛そうな顔で。

