蒼い月と紅の灯火


どうして、どうしてなの。




私はここから出ていったら行くあてなんてないのに。
蒼兎はそれを知っているんじゃないの。




悲しかった。




お昼も何も食べれなかった。




蒼兎も部屋から出てこないし。
流石に夜はでてくるよね?




私は縁側で寝そべっていた。
蒼兎の家は平屋でとても大きい。




だからこそ、寂しさを余計感じるんだ。




まだ家の中を全部見て回ってないし、だから迷子になりそうだなと思ったりする。




でも、明日から、そう考える必要さえない。




「蒼兎……」




確かに、私は居候の身だ、家主が出ていけというなら出ていくしかない。




だって、助けてもらった側だから。




朝はあんなにも溢れていた涙も、もう出なくなっていた。



昨日までは里のことで泣いていたのに、蒼兎のことで一杯だった。




日が落ちていくのをぼーっと眺める。




冬は日の入りが早いから、すぐに暗くなる。
だから、とても寒い。