朔夜さんを見送って蒼兎の元に戻る。
「蒼兎、あのね、プレゼントがあるの」
「僕に?」
「うん、昨日選んだんだ! 蒼兎元気なかったしお世話になってるから!」
「そっか……」
「はい、これ!」
蒼い三日月のストラップ。
蒼兎にぴったりだと思って選んだもの。
喜んでくれるか不安だった。
好みじゃなかったらどうしようって。
「綺麗だね、ありがとう」
「こちらこそ! 助けてくれてありがとう!」
「いいんだよ、僕が勝手にやったことだから」
「いいの! お陰ですっかり元気になったから」
蒼兎の視線が冷たい物に変わる。
「元気に、か」
「あ、蒼兎……」
「朱里、僕との約束覚えてる?」
覚えている。だからこそ、言ってしまった。
そんな気持ちが襲ってくる。

