「まじで!?」
外の流しから朔夜さんの叫びが聞こえる。
同時にバタバタと駆けてきた。
「崩れるんでやめてください」
「ちょっ! 蒼兎みて! 朱里ちゃんの!」
「兄さん、うるさいんだけど」
洗い物を終えた蒼兎が兄を睨みながら戻ってくる。
「ほらみて、ゼリー!」
「寒天ね、それ」
「果物寒天です」
「すごくね朱里ちゃん!」
嬉しそうに桶から3つの寒天を取り出して更に並べている。
蜜柑と葡萄と桃。
それぞれが好きな味をとって食べた。
「美味しかったー! んじゃ俺帰るわ」
「もうこなくていいよ」
「ありがとうございました!」
「はは、さすが蒼兎。またね朱里ちゃん」

