「兄貴こそ朱里泣かせたくせによく言うよ」 「泣くような不安抱え込ませてんのお前だろ」 その言葉に場の空気が凍る。 「うるさいな、これから変えるから」 「そ、まぁいいけどね! はよ帰れ!」 そうだ、そう言われればここは朔夜の家だ。 「あ、あと朱里ちゃん」 「はい?」 「君につきまとう視線。蒼兎の詰めが甘かったからだよ」 「は? 兄さん?」 「俺が処理しときました!」