分数。英名fraction。
2つの数の比を用いた表現方法の一つである。

一般的には小学2年生で導入を習い、
小学3,4年生辺りで計算式に組み込まれる。

…とまあ難しいことを並べてみたところで、
小1がやることじゃないって点に変わりはない。

と、その前に。

「…これけいさんしきじゃないの?」

勤勉な和葉ちゃん小学一年生は、
それが分数の計算式であることは理解した。

…でもねぇ?

「わたしたち、ひきざんもまだなのに」

…やり過ぎじゃない?
親の方進か自分への課題かは知んないけどさ。
どのくらいの時間を勉強に割いてんの?

今が遊び時、一番楽しめるだろう年齢帯。

「きょうすけ、ちゃんとあそべてんのかな」

あの完璧超人は、彼の努力の賜物らしい。
一体どれだけ頑張ればああなるんだ?
性格・勉学・運動
…想像もつかないけど。

…よし!

決めた、何が何でも引っ張り出してやる。
そんでみんなと遊ぶんだ。

校庭で、空き地で、駄菓子屋で。
小学生にかかれば何処だって遊び場所。

さあこい京介、何を言おうと連れてくぞ!

そう息巻いて教室のドアを開ける。

「…かずは?」

不意を突かれた、というような声。
焦りを含んだ驚きの表情。

そこには、膝に絆創膏を巻いた京介がいた。






…え?





「…なんで、ケガしてんの?」