苦しみの中で芽生えた友情

足音は…私の方に近づいてくる。
ゆっくり…ゆっくり…と。

「大丈夫……緑川さん?」

顔をあげると、目の前に居たのは同じクラスの
「明日香・凛南」だった。
優しげな声と笑顔で私に近づく。
サラサラで長い綺麗な髪をピンク色のバレッタでとめていた。

「それ………」

凛南の手にあるのは…私の鞄と眼帯だった。

「キレイにしたんだけど……汚れが落ちなくて…ごめんね?あと…これ、眼帯って言うんだよね?落ちてたから…」

笑顔で語りかける凛南に疑問を感じた。
いつも皆が見せる闇の笑顔とは違った…柔らかい…温かい笑みだった。

「どうして私を…助けるの?……逃げないわけ?」

私にはわからなかった。
自分を見て…この左目を見て…逃げない人は初めてだったから…。