「……お母さん、遥ちゃんのことが心配なんだよ」 「それは、わかります。でも私はやっぱり……」 「そうだよね」 私はがんのことは言わないで、喉に傷ができて、みたいにぼかしてこれまでのことを話した。 天使なその人は、加納望と名乗った。 高3だって言っていたから、私より学年4つ上だ。 低いのに、上に抜けるみたいな明るいトーンの声がすごく心地良くて、会話しているうちに母親といた時のザラザラした感情がすーっと小さくなっていった。