きみにもう一度とどけたい、この声を


さらさらしていそうな黒髪、柔らかいアーチを描く整った眉、切れ長で、長い睫毛と二重まぶたが縁取る黒い大きな瞳、彫りの深い鼻筋、紅い、つややかな唇……

「あっ、えっと、飲、めますっ」
「よかったぁ。はいどうぞ、って、え、泣いてるの?」

思いっきり、気付かれてしまった。

目の前まで来て紙コップを差し出してくれたとき、私は自分が涙を流していることを忘れてその綺麗なその顔を見つめていたから。

「これは、そのっ、親とちょっとケンカしちゃって……」
「そうなんだ。俺で良ければ聞くよ、これも何かのご縁。ね?」

くい、っとテーブルのほうを指差して軽く首を傾げたその表情にどきりとした。