きみにもう一度とどけたい、この声を


天使かと思った。
薄手の白いロングカーディガンが陽に透けて、翼みたいに見えた。

男の人、だった。

少し年上くらいの、高校生か大学生っぽい感じ。

「俺、炭酸系苦手なんだけど、間違って押しちゃって。飲まない?」
「あ……えと」

にっこりと紙コップを高く掲げてこっちに歩み寄ってくるその人は、本当に天使かもしれないと思うほどに綺麗で、言葉を失ってしまった。