きみにもう一度とどけたい、この声を


内視鏡で見たあの赤黒い不気味な塊が、内側から自分をじわじわと浸潤して覆いつくすような、醜く膿んだ細胞が無限に増殖して飲み込まれて窒息するような、そんな息苦しい暗闇に自分だけが閉じ込められるような感覚に襲われる。


声にならない嗚咽が後から後からこみ上げて、胸が苦しくなる。息ができない。