てか朔、教授を睨むんじゃありません!




教授のカツラを取ってしまった私が言うことじゃないかも、…しれないけど……。


でっ、でもあれは事故だから!!






急に朝の“教授、カツラ取られた事件”を思い出して心の中で必死に言い訳をする。




そうしてる間にも朔が私をおぶったまま、第5選択室の中に入って行った。


教室の中まで入るのはあれだけ嫌がってたのに……ドアの前で怯えてる教授を無視してどんどん歩く朔。



ほんと…こいつは、優しいのか冷たいのか……よくわかんないし、なかなか掴めない性格してるけど…私は、朔の暖かい背中から確かな“優しさ”を感じていた。





「…ん、」


と、言って私を席に座らせてくれた。




「あ、…ありがとう」



ワンテンポ遅れてお礼を言うと、相変わらず無表情の朔は第5選択室を出て行った。









朔が出て行ってから、しばらく周りの人はポカーンっとしてたのだが…徐々にざわざわしだした。





その後、私は“あの三浦朔を手なずけた最強女”と影で呼ばれるようになったのだった。