水が勢いよく溢れ、ドームを吹き飛ばした

どおぉぉぉぉおおおおぉぉん!!!!

轟音が響き、地が揺れる

「うわぁっ」

「きゃっ」

「いけ、リーナ!」

あたしが叫んだ直後

吹き飛んだ土の瓦礫の中から、水に守られた春と、巨大な魔物の姿を捉えた

そして、リーナがさっと飛び立ち、春と魔物との間に陣取る

「って、えぇ?!リーナ?!」

「手間かけさせてくれたわね、あとでたっぷり、お仕置きよ」

そして、すぅ、と息を吸い込み

「我が願いを叶えよ。水よ、意のままに姿を変え、閃光となりて射よ」

あたしとリーナのお気に入り魔法・・・・・・水の槍がいくつも現れる

それは、小さなリーナに比べて大きい

「心の臓を貫きなさい・・・・・・!」

リーナが命令した瞬間

全ての水が一斉に放たれた

それは、草原に鎮座する魔物の、ちょうど心臓を貫いた

ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!

本日2度目の断末魔をあたしたちに浴びせ、魔物は消滅した

「危ねぇな・・・・・・」

「ほんとにね・・・・・・」

「あ、あはは・・・・・・・」

目の前で消滅した魔物に愕然とする春

さて、春よ

「身の程知らずにもほどがあるよなぁ?」

「ひいっ!」

ずかずかと近づいてくるあたしの殺気に気づいたのか、悲鳴をあげる春

「Aのドームには・・・・・・必ず2人1組で入れって言われたはずだが?」

「いや、えっとそのぉ・・・・・・」

目を泳がせ、途中でぴたっとリーナでとまった

目だけで「助けて」と訴えるが、リーナはどこ吹く風だ