春って魔法耐性・・・・・・平均値じゃなかったか?

「おいおい・・・・・・まずいぞこれ」

「あら、どうしたのよ。春の魔力なら大丈夫じゃないしら?」

あたしの呟きに首をかしげたリーナ

「考えてみろ・・・・・・春の魔法耐性平均値だぞ。Bであれなんだから、Aの魔物の攻撃を春がまともに食らったらどうなると思う」

そこまで言って、リーナははっとした顔になる

「受けきれないわね・・・・・・結界に魔力を使わない限り」

「だろ?あいつに魔力凝固の技術はねぇだろ。つぎ込み方にもコツがあるし、あいつにAは無茶だ」

魔力凝固は、通常の結界よりも強い結界を作るための技術

通常、結界は薄い魔力凝固によって形成される

だが、あたしが言っているのは、もう1つ上のランクの魔力凝固だ

結界の上に、さらに魔力凝固をしたコーティングする

零の・・・・・・あのキス事件の時にやったのと同じものだ

「このドームをぶっ壊したいが・・・・・・運が悪ければ春ごと吹っ飛ぶし、何より魔物がな」

「そうね、最善策とは言い難いわ」

リーナも顔を顰めた

こういう時、一番いい方法は・・・・・・

「いくぞ、リーナ」

「ええ、いいわよ!」

あたしは、リーナと連携をとり、ドームの中に向かって呪文を唱えた

「我が魔力に呼応せよ。水よ、水結界となりて永遠の護りを誓わんことを」

僅かな魔力と引き換えに、水が顕現した

ドームの中に

春の周りに、水で出来た結界────水結界が張られたはずだ

よし、そのまま

「我が魔力に呼応せよ。水爆発!」

その刹那