「もう、零くんってばぁ!」

きゃーっと1人で騒いだ後、放心状態の零の唇に、そっと口付けた

「「「「「?!!!」」」」」

声にならない悲鳴をあげた、あたしたち5人(あたし、リーナ、千聖、春、翔太)

「な・・・・・・な!」

ぱくぱくと口を動かす春

「やっぱりぃ、零くんってあたしの体に興味あるのねぇ~?」

くすくすっと笑い、そのままたたっとあたし達の方にくる

そして、あたしの横を通り過ぎる瞬間

「ほんと、あんた邪魔。零くんから離れて」

小さく、ハッキリと言われた

急いで姿を追うが、佐藤まりはそのまま階段を駆け下りたようだ

・・・・・・なんで敵視されてんだ?あたし

春たちならまだしも・・・・・・よくわからねぇな

「・・・・・・すごいストーカーになりそうな子ね」

「だな・・・・・・ぜってー束縛癖ある。欲しいものは何がなんでも手に入れるタイプだ」

「嫌な子に出会っちゃったけど・・・・・・青春としてはいいんじゃないかしら?ずっと1人だったものね。異性もいなかったし」

「青春はあたしに必要ねぇよ。つーか、面倒事はごめんだ」

せっかくのオフを邪魔されてたまるかっつーの

変な事言うな、リーナ

「つーか、危なかったな」

「なにがよ」

「あいつが・・・・・・その、キスする寸前に、零の唇に薄ら魔力を結晶化させてコーティングしたんだよ」

「そんなことしてたのね」

「なんか悪いか」

「別に悪くないわ。零にとっても、最善の方法ね・・・・・・自分の唇を、あんな子に奪われるなんて嫌でしょうし」